MEIDI-YA STORE
MEIDI-YA HOME TOP
New Arrival World Gourmet Guide Foods in Season Daily Recipe Enjoy a Party! The Sweet Club Gourmand Book





イタリア料理おいしさの秘訣“ブロード”

さて今回は、イタリア料理の基本のだし汁のひとつ、肉のブロードBRODO DI CARNEをご紹介します。この肉のブロードは、イタリア全土で作られる様々な料理のだし汁として使われ、マンマの味のベースとして欠く事ができないものです。例えば、お米の栽培が盛んなロンバルディア州をはじめとする北イタリアやエミリアロマーニャ州、ベネト州などでは、リゾットのだし汁には必ずこれを用います。またリゾットの他に、肉の煮込みや野菜のスープ、ボロネーゼ、詰め物をしたパスタにたっぷりのブロードをかけて頂くトルテリーニ・イン・ブロードTORTELINI IN BRODOといったパスタ料理などにと、実に多彩に活躍します。今回はこのブロードを使って、イタリアでも冬野菜の代表、ほうれん草とお米をブロードで炊き上げ、たっぷりのパルミジャーノ・レッジャーノで仕上げた「ほうれん草のリゾットRISOTTO AGLI SPINACI」をご紹介します。
そして、ブロードをとった後の肉や野菜も余す事なく、美味しいメインディッシュ「ボリート・ミストBORITO MISTO」に変身させて頂きます。この料理は、北イタリアのレストランでは、セコンド・ピアットとして出されるのですが、もともとは一般の家庭で肉のブロードを作った後の材料を美味しく食べる方法として考案されたようです。ボリート・ミストには、サルサ・ヴェルデSLSA VERDEと呼ばれるイタリアンパセリとアンチョビなどを撹拌して作ったフレッシュなソースや、冬の保存食として作られる伝統的な「モスタルダ」というコンフィチュールをかけて頂きます。モスタルダは、北イタリア独特のもので、洋梨やりんごなどのフルーツや野菜を砂糖で煮込み、さらにマスタードのエッセンスオイル入りのシュガーシロップに漬け込んだもの。ボリート・ミストや生ハムなどとの相性は抜群です。
そしてドルチェは、冬の焼き菓子を代表する「りんごのタルトTORTA DI MELE」。シンプルな生地に、生のりんごをそのまま加えて焼き上げます。フレッシュなりんごそのものの甘みや香りが味わえ、素朴なおいしさが後をひく逸品。これぞイタリア家庭の味といえるとっておきの焼き菓子です。
心も体も温まる本場イタリアの冬の料理を存分にお楽しみに下さい。
Buona appetito.

☆Brodo
「基本のブロード 肉のブロード」Brodo di carne



 

イタリアでは、料理の基本だし汁の事を、ブロードBRODOと言います。
私はイタリア各地を訪ねる度に、必ずスーパーマーケットに立ち寄るのですが、日本のお店のように多くの種類のだしの素やブイヨンなどに当たる商品はほとんど見あたらず、その違いに驚かされます。実際、各地の料理研究家の方々やマンマたちは、だし汁を使用する料理の場合は、まず時間と手間を惜しまずに、必ず自分でブロードをとるのです。そのブロードを初めて一口味見した時には、そのあまりの美味しさに感動! ですから私もブロードを使うイタリア料理は、必ず一からブロードをとっています。手作りのブロードを用いた料理は、いくら食べてもひつこさのない自然な滋味が美味しく際立ち、体が欲するような味が生まれるからです。

私の祖母もイタリアのマンマたちの様に手間ひまを惜しまずだしをひき、いろいろな料理を作って家族を喜ばせてくれていました。その事をイタリアで頂いたブロードを口にした時にふと思い出しました。祖母のだしの味、そして料理の美味しさは、今でも私の記憶のなかに幸せなレシピとして受け継ぎ、息づいていることを強く感じています。
もちろん現在の忙しい日本では、大変残念なことに時間や手間がかかるなどの理由から、自分でだしをひく家庭が少なくなっていると思います。けれども伝統的な方法でひいただしの美味しさをご存知の方なら、その違いはよくご理解いただけるはずです。忙しい毎日の中で、あえて自分でだしをひく。それはとても無理という方は、大切なお客様をおもてなしする時、クリスマスがお正月、ひな祭りなどの伝統料理を作る時、また、家族の体調がすぐれない時など、ぜひ、ほんの少しの手間を惜しまずに自分でだしをひいたり、ブロードをとって料理してみて下さい。
和のだし汁、イタリアのブロード。いずれも素材そのものの美味しさをあらためて実感できるとともに、体がよろこび元気になる心地よさをきっと体感できると思います。

さて、ブロードには、肉のブロードBrodo di carne、野菜のブロードBrodo di verdure、魚のブロードBrodo di pesceといった、基本の3タイプがあります。
今回は、肉のブロードのとり方をご紹介します。私が北イタリアで習った基本のレシピです。イタリアでは出来るだけ肉本来の旨味を大切にし、香りの強いローリエやクローブなどはあまり加えません。ブロードは大鍋一杯にとって、いつでも使えるように作り置きもできます。製氷皿などでキューブ状に凍らせてから密閉容器に冷凍保存しておけば、イタリア料理だけでなく、カレーやシチューなどを作る時にも、このキューブを数個を加えて活用できます。いつも以上に美味しい一皿にレベルアップ出来ますよ。ぜひともお試しください。



● 肉のブロードのとり方

材料(作りやすい分量)
牛肉(もも肉、すね肉、テール、タン)……合計約1.5kg
鶏もも肉(骨付き)……2本
セロリ、にんじん……各1本
玉ねぎ、トマト……各1個
イタリアンパセリ……3本
粗塩・粒こしょう(黒)……各適宜
 

作り方
1. 牛のもも肉とすね肉、タンは約10cm大に切り、テールは骨の部分に血の塊があったら水洗いして落とし、水気をふいておく。鶏もも肉は、余分な脂をきれいに取り除いておく。
2. セロリは葉をとって茎のみにし、玉ねぎは皮をむいて、芯の部分に軽く十字に切り込みを入れておく。にんじんは皮をむき、トマトは皮部分に十字に切り込みを入れる。
3. イタリアンパセリはたこ糸で縛っておく。
4. 深鍋に全ての材料と粗塩、粒こしょうを入れ、水2リットルを加えて弱火にかけ、あくをていねいに取り除きながら、沸騰させないように4〜5時間じっくりと煮込む。
5. 鍋から肉と野菜を取り出し、煮汁を漉しとって肉のブロードの出来上がり。
※ ブロードの出来上がり分量の目安は、約6カップです。



Primopiatto
「ほうれん草のリゾット」
Risotto Agli Spinaci


材料(4人分)
肉のブロード……4〜5カップ
縮みほうれん草……1/2束
エシャロット……1個
リゾット米……240g
バター……50g
白ワイン……1/4カップ
パルジャミーノ・レッジャーノ……40g
塩・こしょう……各適宜

作り方
1. ほうれん草は、葉の部分のみをつまんで鍋に入れ、塩ひとつまみほどを上から振り入れて蓋をし、弱火で5分ほど蒸らし煮してバットに取り出す。この時、冷水にさらさず、自然に冷めるのを待ち、水気をよくしぼって細かく刻んでおく。
2. 鍋に、肉のブロードを入れて弱火で温めはじめる。
3. 別の厚手の鍋に、バターとみじん切りにしたエシャロットを入れて中火でよく炒め、リゾット米を加えて更に炒めて米の表面にきれいに油がまわったら、白ワインを加えて水分をとばす。
4. 3の鍋に1のほうれん草を加え、2のブロードをレードルで2杯ずつ数度に分けて加えながら炊きあげていく。この間、余りかき混ぜないようにすること。
5. ほんの少し芯がある状態になったら、塩・こしょうし、おろしたパルミジャーノ・レッジャーノを加えて良くかき混ぜて火を止め、仕上げにバター適宜(分量外)を加えてひと混ぜする。
 
POINT/リゾット米を炒める際、あまり炒め過ぎるとブロードを加えてから水分を含まないようになり、一方、炒め方が足りないと米の表面に油膜がきれいにはっていないため炊きあがりがおじやのようにもったりとなってしまいます。何度か作ってみて加減を会得してください。またブロードを加えてから必要以上にかき混ぜてしまうとブロードに米の澱粉質が流出して、ねばりが出てしまうので注意しましょう。




Secondopiatto
「ボリート・ミスト」
Volito Misto


材料(4人分)
肉のブロードをとった肉と野菜……4人分
〈サルサ・ヴェルデ用〉
イタリアンパセリ……2パック
卵(ゆで卵)……1個
ケッパー(酢漬け)……大さじ1 1/2
アンチョビ……2切れ
にんにく……1/2片
E.Xヴァージンオリーブオイル……大さじ2 1/2
レモン汁……1/2個分
白ワインビネガー……大さじ1
岩塩・こしょう……各適宜

作り方
1. サルサ・ヴェルデを作る。材料は、全てみじん切りにしてボウルに入れ、オリーブオイル、レモン汁、白ワインビネガー、塩・こしょうを加えてよくかき混ぜる。
2. 温めた肉と野菜を皿に盛り、サルサ・ヴェルデのソースをかけていただく。、モスタルダがあれば添える。
※ 好みで、茹でたじゃがいもやカリフラワーなどを、ブロードで味がしみる適度煮て、皿に一緒に盛れば、ボリュームがさらにアップします。

  お薦めのワイン
「ブレッザ バルベーラ・ダルバ・カンヌビ」
BREZZA Barbera d’Arba Cannubi 2008
バルベーラは、ピエモンテ州の特産品種で、色彩が濃く酸味の強い黒ぶどうです。かぐわしい風味としっかりとしたタンニンは、肉料理に最適な味わいです。



Dolce
「りんごのタルト」
Torta di Mele

材料(直径21cmの底の抜けるタルト型使用)
薄力粉……180g
ベーキングパウダー……5g
グラニュー糖……160g
卵……2個
バニラエッセンス……適宜
レモン汁……1個分
塩……適宜
りんご(王林)……2個
バター……125g
グラニュー糖……適宜
 

作り方
1. 薄力粉とベーキングパウダーは、混ぜて軽くふるっておく。
2. りんごは、皮を剥き、縦半分に切って芯をとり、薄いくし形にスライスする。
3. ボウルに、卵とグラニュー糖を入れてよく撹拌し、バニラエッセンス数滴と塩ひとつまみを加え、更によくかき混ぜる。
4. 3に2のりんごの3/4を加え、さっくりとかき混ぜ、型に流し込む。
5. 4の上に、取り分けておいたりんごのスライスを表面に敷き詰め、その上にグラニュー糖を全体に薄くふりかけ、バターを手で小さくちぎりながら散らす。
6. 180℃に熱しておいたオーブンに5を入れ、約50分焼く。焼き上がったらオーブンから取り出し、型に入れたまま冷まし、冷めたらまわりにナイフを入れて、型からはずす。
※使用するオーブンのタイプにより、焼き時間は調整してください。
 
POINT/ このりんごのタルトは、イタリア全土でとてもポピュラーなマンマの味。りんごの旬の時期、どの家庭の食卓にも欠かせない存在で、家族それぞれがいつでも好きな時に好きな大きさに切って食べられるよう、キッチンに用意されています。翌日、その翌日と風味が増し、おいしさが変化する魅力的なお菓子です。イタリアで用いるりんごにいちばん近い味わいに仕上がるりんごは、いろいろ試してみた結果、王林が私のイチオシ。ぜひお試しください。