
第3週
冷えたビールにぴったりの「夏野菜の天ぷら」

子どものころ、お盆の日には必ずとりどりの夏野菜の精進揚げが大皿に盛られてわが家のちゃぶ台にのりました。そうした母に習って、私も暑さの盛りのころ、さつまいもやにんじん、ごぼうにれんこん、なす、ししとう、そしてトマトなど、あり合わせの夏野菜を使って、汗をかきかき、きばって天ぷらを揚げます。
よく「どうしたらカラッと揚がるの」と聞かれますが、揚げて揚げて、回数を重ね、いつのころからか手が動くようになりました。ただ、昼のうちから卵と水を合せておいて冷蔵庫で冷やし、薄力粉も冷やしておきます。この用意ができているだけで、揚がりが違うように思います。揚げはじめる直前に、卵水に粉をふるい入れ、塩をひとつまみ加えて、太い箸で十文字に切るように溶き、粉気が残っているくらいで揚げはじめます。溶いた衣の器は、底を氷で冷やしておくと粘りがでずにすみます。揚げ油は、紅花油にごま油を加えて、厚めの鍋に入れ、落とした衣がポッと浮き上がるくらいに熱します。そして素材を衣でくるんで鍋の端から油に滑りこませ、中央に押します。野菜の持ち味はひとつひとつ違いますから、薄い衣の下の野菜の色を見て引き上げます。
夏の宵、揚げたての天ぷらで冷えたビールをクイッと。好みで、塩、カレー塩、天つゆでどうぞ。夏バテ知らずの滋味豊かなおいしい家庭料理の代表「精進揚げ」です。
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