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 第3週
 春の野山が香る「筍のおすし」


朝もやのなか、ほのぐらい光の射す青竹の林のなかに入ってゆくと、笹の葉ずれの音とともに爽やかで心地よい風がそよぎます。眠りからさめやらぬ地中の筍を土の細かいひびわれをめがけてそっと掘り起こすのです。
真っ白なみずみずしい朝堀りの筍は、鮮度がいのちですから、手に入れたら時間をおかずにゆがきます。この季節にしか味わえない筍は、穂先から根元まで余すことなく使いきります。穂先は「おつゆ」に、昆布やわかめと炊き合わせた「若竹煮」に、そして「たけのこごはん」や「たけのこずし」「木の芽和え」、根元の堅いところはすりおろして「たけのこだんご」に。皮の内側の甘皮は細かく刻んで「佃煮」に……。滋味を愛しんであますところなく調理し、地中の春の香気と歯ざわりをかみしめましょう。
> 筍のゆで方



花見弁当
菜の花ごはんと
芹の白酢和え
筍のおすし
みそ田楽

中村成子さんの和菜「筍のおすし」


材料/5〜6人分
米……カップ4
 酒……大さじ3
 昆布……10cm角1枚
〔合わせ酢〕
 米酢……カップ1/2強
 砂糖……大さじ2
 塩……小さじ1強
たけのこ(ゆでたもの)
 …… 小1本

〔調味a〕
 酒・みりん……各大さじ2
 しょうゆ……大さじ1
油揚げ 1/2枚
〔調味b〕
 酒・みりん……各大さじ1
 しょうゆ……小さじ2
干ししいたけ 6〜8枚
〔調味c〕
 酒・砂糖……各大さじ2
 しょうゆ……大さじ2強
わらび……10本
重曹……小さじ11/2
〔調味d〕
酒・みりん……各大さじ2
しょうゆ……大さじ1
めのは(または乾燥わかめ)……適宜
山椒の実・木の芽……各適宜1

作り方
1. 炊飯器に米、水カップ4、酒、昆布を入れて炊き、10分間蒸らしてから飯台に移し、合わせ酢をふって切るように混ぜ合わせる。
2. たけのこは、穂先を縦に薄切りにし、残りは薄いいちょう切りにして鍋に入れ、だし2カップと調味aを加えて火にかけ、煮含める。
3. 油揚げは、熱湯をかけて油抜きし、縦半分に切ってから細切りにする。鍋に水1/2カップ、調味bを加えて火にかけ、煮含める。
4. 干ししいたけは、水2カップでもどして軸を取り、細切りにして鍋に入れ、もどし汁を加えて火にかけ、あくを取り、調味cを加えて煮含める。
5. わらびは、根元の固い部分を切り取り、重曹を加えた熱湯カップ5に浸し、木蓋をして30分おく。水にはなしてから水気を切って鍋に入れ、だし1/2カップ、調味dを加えて火にかけ、さっと煮て、4〜5cm長さに切る。
6. すしめしが温かいうちに、油揚げ、しいたけは煮汁ごと混ぜ合わせ、焼いためのはをもんで混ぜる。たけのこをたっぷりのせ、わらび、山椒の実、木の芽を飾る。

注目食材
木の芽 孝太郎の酢「京あまり 米酢」 奥井海生堂特選「利尻出し昆布」 宮崎産「天白どんこ」



 第4週
 春の訪れを祝う行事食「みそ田楽」


毎年、田の神さまをまつる田起こしの季節が訪れると、今年の豊かな実りを願って「みそ田楽」をつくります。わが家では毎年、裏山の竹やぶから青竹を切ってきて田楽串をつくるのですが、その串に刺した豆腐の姿が、高足に乗って踊る田楽法師の姿に似ていることから「田楽」と呼ばれるようになったのだとか。香ばしい味噌の香りと豆腐のやわらかく淡白な味わいが調和する伝統の行事食です。豆腐田楽は、豆腐の水気をきりすぎないことがおいしさのコツ。

中村成子さんの和菜「みそ田楽」

材料/4人分
木綿豆腐……2丁
〔田楽みそ〕
 赤味噌……200g
 砂糖(ざらめ糖)……120〜140g
 酒(本醸造)……30cc
 水……1/4カップ
みりん(煮切り)……30cc
木の芽……適宜
串……16本

作り方
1. 田楽みその材料をあわせて鍋に入れ、弱火で約30分練りあげ、仕上げにみりんを加えます。
2. 豆腐は、布巾に包んでまな板の上において約1時間ほど水きりし、軽く水がきれたら1丁を8等分してくしに刺し、遠火にかけて焼き、表面が乾いたら1. の味噌を塗って再び焼きます。 
3. 田楽箱に盛り付け、木の芽を添えて、熱々のうちにいただきます。
竹串は、焼け焦げないようにアルミ箔を巻いておきます。

注目食材
木の芽 いづみ庵
「木綿豆腐」